企業パンフレットを制作する際、会社概要や事業内容、自社の強みなど、載せたい情報が多くなり、どこから整理すればよいか迷うことがあります。
初めにページ数やデザインを決めてしまうと、必要な情報が収まらなかったり、反対に伝えたい内容が薄くなったりするかもしれません。
構成を考えるうえで最初に整理したいのは、「誰に読んでもらい、何を理解してもらい、読んだ後にどのような行動を取ってほしいか」という点です。
使用目的と読み手が明確になれば、掲載する情報の優先順位や、パンフレット全体の流れも考えやすくなります。
企業パンフレットの構成は目的と読み手から決める
企業パンフレットを作るときは、表紙や会社概要などの掲載項目を考える前に、何のために制作するのかを整理します。
パンフレットを使う中心的な目的を決める
企業パンフレットには、商談時の説明資料、展示会で配布する案内、採用活動で使用する会社紹介など、さまざまな用途があります。
複数の場面で使う予定がある場合も、まずは最も重要な目的を一つ決め、ほかの用途は補助的なものとして整理すると、掲載情報の優先順位を付けやすくなります。
たとえば、営業先へ渡すパンフレットなら、企業理念を詳しく説明する前に、どのような事業を行い、相手の課題に対して何を提供できる会社なのかを示す必要があります。
一方、採用活動で使用する場合は、事業内容だけでなく、具体的な仕事内容や働く人、職場の雰囲気が分かる情報も重要になります。
営業用と採用用を一冊にまとめることはできますが、読み手と目的が大きく異なる場合は、すべての情報を均等に詰め込むより、共通する会社情報と用途ごとの情報を分けて整理したほうが構成を考えやすくなります。
会社が伝えたいことより、読み手が知りたいことを先に考える
構成を考える際は、社内で重要視している情報だけでなく、初めてパンフレットを手に取る人が、どのような疑問を持つかを想像します。
企業側では沿革や理念が重要でも、読み手は最初に「何をしている会社なのか」「自分に関係するサービスがあるのか」を知りたい可能性があります。
そのため、初めて自社を知る人に渡す場合は、事業やサービスの概要を早めに配置し、その後に強みや実績、企業理念、会社概要などを示す流れが一つの考え方になります。
すでに比較検討を進めている相手へ渡すなら、対応範囲や他社との違い、相談後の流れなどを厚くする方法もあります。
誰に向けて、どの情報を、どの順番で伝えるかを明確にすることは、紙面上の情報配置や視線の誘導を考えるうえでも重要です。
読んだ後に取ってほしい行動から掲載内容を選ぶ
掲載するか迷う情報がある場合は、その情報が、読み手の次の行動に必要かどうかを基準にします。
営業用なら問い合わせや商談、採用用なら採用情報の確認、展示会用なら担当者への相談など、想定する行動によって必要な説明は変わります。
問い合わせにつなげたいパンフレットであれば、事業内容を説明するだけでなく、対応できる相談内容や問い合わせ方法も分かるようにします。
社内で回覧してもらうことが目的なら、担当者以外の人が読んでも、事業内容や依頼する利点を理解できる構成が必要です。
迷った場合は、「会社として載せたいか」だけで判断せず、「読み手が次の行動を判断するために必要か」を確認してください。
この基準を持つと、情報量が多いときにも、残す内容と補助的に扱う内容を分けやすくなります。
構成を完全に固めてからデザインへ進むのではなく、誰に何を伝えるのかを整理し、印刷物の目的に合った見せ方を検討することが重要です。
伝わりやすい企業パンフレットの基本構成と並べ方
基本の掲載項目から必要なものを選ぶ
企業パンフレットでは、表紙、事業やサービスの概要、自社の強み、商品・サービス、実績や事例、企業理念、会社概要、問い合わせ先などが掲載候補になります。
ただし、すべてが必須ではなく、制作目的と読み手に合わせた取捨選択が必要です。
営業先への説明が目的なら、事業内容や対応できる課題、自社の特徴を中心にします。
企業としての信用を補う資料なら、沿革や会社概要、対応体制も整理するとよいでしょう。
代表挨拶や企業理念についても、慣例だけで掲載するのではなく、読み手の判断に必要かどうかで分量を決めます。
「概要から詳細へ」の順番で情報をつなぐ
基本的な流れは、「表紙→何をする会社か→事業・サービス→選ばれる理由→信頼を補う情報→会社概要・問い合わせ先」です。
最初に全体像を伝え、その後に詳しい説明を置くことで、読み手が内容を追いやすくなります。
比較検討中の相手へ渡す場合は、概要を簡潔にして、強み、対応範囲、事例を早めに示す方法もあります。
採用で使用するなら、仕事内容や働く人の情報を厚くするなど、目的に応じて順番と分量を変えてください。
ページ数は掲載内容と素材を整理してから決める
4ページや8ページといったページ数を先に決めると、情報を無理に詰め込んだり、必要以上に文章を増やしたりすることがあります。
まずは必要な情報、写真、図表を整理し、それぞれに必要な紙面を考えたうえで、サイズや製本方法と合わせて検討しましょう。
ページ数は見た目だけで判断せず、掲載情報と印刷仕様の両面から印刷会社へ確認することが重要です。
印刷会社へ相談する前に整理したい準備と確認ポイント
目的や使用条件を一枚にまとめる
相談時には、パンフレットを作る目的、主な読み手、使用する場面、掲載したい情報を伝えます。
希望するサイズや形状、必要部数、納品時期、予算の考え方、既存パンフレットの有無なども、分かる範囲でまとめておくと、依頼内容を共有しやすくなります。
最初からすべてを確定する必要はありませんが、決まっていることと未定のことを分けておくことが大切です。
相談前には、少なくとも次の内容を確認しておきます。
・パンフレットを作る目的と、主に読んでもらいたい相手
・配布する場所や商談、展示会、採用活動などの使用場面
・掲載したい事業、サービス、会社情報の候補
・希望する納品時期と、おおよその印刷部数
・社内で確認する担当者と、最終的に承認する人
・構成、原稿、撮影、デザインのうち相談したい範囲
原稿・写真・ロゴを使用できる状態か確認する
原稿や画像は、「そのまま使えるもの」「更新が必要なもの」「新しく用意するもの」「使用できるか確認するもの」に分けます。
古いパンフレットを参考資料として使用する場合は、所在地、役員名、事業内容、連絡先などが現在の情報と一致しているか確認してください。
写真やロゴについても、データが手元にあるだけで印刷へ使用できるとは限りません。
元データの有無や使用許可を確認し、画質や形式に不安がある場合は、自己判断で加工せず印刷会社へ共有します。
デザインを始める前に社内の確認手順を決める
パンフレット制作には、営業、広報、人事、経営層など複数の人が関わる場合があります。
掲載内容を確認する人、デザインを確認する人、最終承認者を先に決めておくと、修正意見をまとめやすくなります。
特に、デザインが進んだ後に事業内容やページ構成を大きく変えると、ほかのページにも修正が及ぶ可能性があります。
社内で意見が分かれそうな内容は、原稿や構成を検討する段階で確認しておきましょう。
必要な対応範囲を基準に印刷会社を選ぶ
完成した印刷データがある場合は、対応する入稿形式、用紙、加工、納品方法などを中心に比較します。
一方、何を載せるか迷っている場合は、構成やデザインから相談できるかを確認してください。
構成が固まっていない場合は、無理に完成原稿を作るのではなく、決まっている内容、迷っている内容、印刷会社に提案してほしい内容を分けて伝えることがポイントです。
まとめ|企業パンフレットは情報の優先順位から構成する
企業パンフレットの構成に、すべての会社へ共通する一つの正解はありません。
営業先への説明、採用活動、会社の信用を補う資料など、使用目的によって優先する内容や適した並べ方は変わります。
まずは、誰に読んでもらうのか、何を理解してほしいのか、読後にどのような行動へつなげたいのかを整理してください。
そのうえで、事業やサービスの概要から詳細へ進む流れを作り、読み手の判断に必要な情報から配置します。
印刷会社を選ぶ際は、価格や印刷仕様だけでなく、構成整理、デザイン、印刷後の発送など、どこまで対応してもらえるかを確認することも大切です。
原稿や写真が完成していない場合は、決まっている内容と相談したい内容を分けておくと、依頼範囲を共有しやすくなります。
